眠気に勝てない休日
のそりと起こした身体に纏わりつく怠さに身を任せてしまいたくなる昼下がり。なけなしの抵抗で布団を剥ぎ、ベッドから降りた先の床にゴツと柔く後頭部を打ちつけた後、ズルズルと重力に身を任せた。
薄いカーペット、乗せた体重のせいで床の固さに節々が痛い。
寒い。
デジタル時計を見やると室温は12℃であった。ゴロリ、寝返りを打つ。
弛ませたカーテンの隙間から、昼間の日光が暖かさを伴って室内に差し込んでいる。
ゆらゆらと何に反射しているのかわからないモヤがカーペットの上をゆったり滑った。
滑らかなその動きから水面を連想した私は、この床が水面だったら、と夢想した。
そうしたら私の身体は沈んで沈んで、上から差し込む柔い日差しをぼんやりと見上げて揺蕩うのに。こんな時にも目先に浮かぶ色は藍だ。
なんてくだらない自身の妄想にひとりニヤついて「よっこらせ」と身体を起こす。
寝起きのカフェオレを淹れるため、冷えたキッチンの床を踏みしめた足裏が痛んだ。